自分で仕事を見つけた時の再就職手当はどうなる?ハローワーク以外で受け取れる条件を解説

転職サイトや知人の紹介など、ハローワーク以外の方法で仕事を見つけた場合、「再就職手当はもらえないのでは?」と不安に感じる人は多いでしょう。結論から言うと、自分で仕事を見つけた場合でも、一定の条件を満たせば再就職手当は受け取れます。

この記事では、再就職手当の仕組みや支給条件、申請の流れをわかりやすく解説します。ハローワーク以外での就職時に気をつけたいポイントも紹介しているので、再就職手当の申請に役立てください。

社会保険労務士 小武方信吾
当記事の監修
社会保険労務士:小武方 信吾
人事労務コンサルティング会社経験後、1000人規模の医療法人で人事課長として、社会保険手続き、規程整備、助成金、労務のDX化など幅広く対応。その後社労士事務所を開業し、ベンチャー企業から大企業のバックオフィスのサポートを行なっている。

自分で仕事を見つけた時も再就職手当はもらえる?

「再就職手当はハローワークの紹介でないともらえない」と考えている方もいますが、これは誤解です。自分で仕事を見つけた場合でも、条件を満たせば再就職手当は受け取れます。

大切なのは、就職先をどのように見つけたかではなく、定められた支給条件をクリアしているかどうかです。

ハローワーク以外で見つけた場合の支給条件

自分で仕事を見つけた場合とハローワークの紹介で就職した場合では、再就職手当の支給条件に大きな違いはありません。どちらの経路であっても、雇用保険に加入すること・報告をきちんと行うこと・期間条件を満たすことが基本です。

ハローワーク経由の場合は紹介状によって確認がスムーズに進みますが、自分で見つけた場合は就職の事実を証明する書類を自分で提出する必要があります。

ハローワーク紹介の場合

  • 支給対象:〇
  • 手続き:紹介状を提出するため、就職の確認がスムーズ。

自分で見つけた場合

  • 支給対象:〇
  • 手続き:自分で就職を報告し、「再就職手当支給申請書」に事業主証明欄を記入してもらう。

このように、手続き方法に少し違いがあるだけで、自分で見つけた就職先が支給対象外になることはありません。

参考:厚生労働省「再就職手当のご案内(PDF)

対象かどうかを確認できるセルフチェック

再就職手当の対象かどうか、以下の項目でチェックしてみましょう。

  • 退職前の2年間で、雇用保険に通算12ヶ月以上加入していた
  • 失業手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上残っている
  • 新しい就職先で、1年を超えて働く見込みがある
  • ハローワークで求職の申込みをし、7日間の待機期間を満了している(給付制限がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること)
  • 受給資格の決定を受けた後、7日間の待期期間満了後に就職活動を開始している
  • 離職前の会社や、その関連会社に再就職していない

これらを満たしていれば、再就職手当の対象となる可能性があります。

次に重要なのは「タイミング」です。申請の順序を誤ると、対象から外れることもあるため注意しましょう。

内定日と入社日のタイミングで損を防ぐ

再就職手当を受け取るには、内定や入社の「タイミング」が重要です。正しい順序で手続きを進めないと、他の条件を満たしていても支給対象外となる場合があります。

ここでは、損をしないための流れと注意点を見ていきましょう。

受給資格決定日の前後で支給可否が変わる理由

再就職手当は、失業状態にある人の早期再就職を支援する制度です。そのため、7日間の待期期間満了後※より前に入社している場合は支給対象になりません。
※給付制限がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること

支給対象になるかどうかは、手続きを進める順番によっても変わります。

<正しい手続きの手順>

退職 ⇒ 求職申込み ⇒受給資格決定⇒7日間の待機期間⇒ 内定 ⇒ 入社
※給付制限がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること

給付制限期間中の就職活動や就職活動開始時期の調整で支給額を減らさないコツ

再就職手当を満額受け取るには、給付制限期間中の就職活動や就職活動開始時期のタイミングに注意が必要です。

  • 待機満了前に就職活動を始めない
    7日間の待機満了後に就職活動を開始することで、制度上の支給対象を確保できます。
  • 自己都合退職の給付制限中は要注意
    2025年4月以降は、給付制限期間は原則1ヶ月です。給付制限期間中に就職した場合は原則対象外ですが、給付制限終了後1か月以内であってもハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であれば支給対象となります。

再就職手当の申請手順と注意点

条件やタイミングを確認したら、次は申請手続きです。再就職手当の申請は難しくありませんが、提出期限と必要書類の準備がポイントとなります。

申請期限を過ぎると原則として受給できなくなるため、早めに行動しましょう。

申請の流れと期限の目安

再就職手当の申請は、以下のステップで進みます。

▼申請の基本ステップ

  • 採用が決定する
  • ハローワークへ報告する
  • 会社に書類記入を依頼し、申請書を提出する
  • 支給が決定される
  • 指定口座に入金される

申請は「就職日の翌日から1か月以内」が原則です。ただし、やむを得ない事情がある場合や時効(2年)以内であれば、例外的に受理されることもあります。

手続きの遅れを防ぐためにも、入社後は早めに書類をそろえましょう。

提出書類と企業への依頼の仕方

再就職手当の申請には、以下の書類が必要です。

書類名準備先注記
再就職手当支給申請書ハローワーク会社の事業主証明欄への記入が必要
雇用保険受給資格者証本人申請時に提出
雇用契約書・労働条件通知書会社就職日を確認するために使用

採用証明書も必要になる場合があります。

よくあるミスと期限超過時の対応策

▼よくあるミス

  • 内定報告を忘れて申請が遅れる
  • 会社記入欄に不備があり再提出になる
  • 就職日の翌日から1ヶ月を超過する

これらのミスは、申請期限を過ぎてしまう原因につながります。再就職手当の申請期限は非常に厳格で、就職日の翌日から1ヶ月です。

やむを得ない事情がある場合は、早めにハローワークへ相談するようにしましょう。

早期離職時は「就業促進定着手当」も確認

再就職手当を受け取ったあと、6ヶ月以上働いたものの、賃金が離職前より下がった場合には「就業促進定着手当」が申請できます。

  • 対象:再就職手当を受け取り、同一企業で6ヶ月以上勤務した人
  • 内容:賃金が下がった分の一部を補填する
  • 注意:再就職手当を受けていない人は対象外

この制度を知っておくと、賃金低下があっても安心して再就職に踏み出せます。

参考:厚生労働省「就業促進定着手当が受けられます(PDF)

働き方によって支給対象は変わる

再就職手当は正社員だけでなく、契約社員や派遣社員など多様な雇用形態に対応しています。

ただし、雇用保険に加入して1年を超えて勤務見込みがあることが前提です。

正社員・契約社員・派遣など雇用形態別の可否

雇用形態によって再就職手当の対象になるかは異なります。

次の表で、主な雇用形態ごとの扱いを確認しておきましょう。

雇用形態支給対象
正社員対象
契約社員対象
派遣社員対象
パート・アルバイト条件付き
  • 正社員:原則として雇用保険に加入しているため対象。
  • 契約社員:1年以下でも更新見込みがあれば対象となる場合あり。
  • 派遣社員:派遣先(派遣元)で雇用保険に加入し、1年を超えて雇用の見込みがあれば対象。
  • パート・アルバイト:週20時間以上かつ1年を超えて雇用見込みがある場合に対象。

試用期間中や初日の雇用保険加入日で気をつけること

試用期間中であっても、将来的に本採用される見込みがあれば再就職手当の対象になります。また、就職日は「雇用保険の被保険者資格を取得した日」として扱われるため、加入手続きが遅れると支給額に影響することがあります。

入社時には、いつから雇用保険に加入となるのかを会社に確認しておくと安心です。

業務委託や自営業を選んだ場合

独立・業務委託の場合も再就職手当の対象になる場合があります。

ただし、障害者や高年齢者など就職困難な方には、別途「常用就職支度手当」などの制度が適用される場合があります。

制度名対象
再就職手当個人事業主やフリーランスとして開業する場合も対象となる場合あり
常用就職支度手当就職困難者が常用雇用で再就職

▼支給内容

  • 再就職手当:基本手当の支給残日数に応じて60〜70%を支給
  • 常用就職支度手当:残日数に応じた計算方法で支給

参考:厚生労働省「常用就職支度手当について(PDF)

まとめ

再就職手当は、ハローワーク経由でなくても、条件を満たしていれば自分で見つけた就職先でも受給できます。受給資格の決定を受けたうえで就職し、1年を超えて雇用見込みがあり、申請期限を守って手続きを進めることが大切です。

制度の仕組みを正しく理解しておけば、再就職後の生活を安心してスタートできるでしょう。

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